権兵衛の受験記

「人間は2回死ねない」と言う言葉を抱えて医者を目指して生きてゆく。そんな浪人生のブログ。

東大の開示について(その1)

東大に落ちた翌日、開示が送られてきた。送られてきたという表現は適切でないかもしれない。というのも俺は後期の受験のために沖縄にいたからだ。後期入試の自信をつけたいという思いから東京の自宅にいる母親には届いたらすぐに開示を送って欲しかったので何度も何度も開示を送ってくれというLINEを送った。そして午後5時くらいに母親から開示の写真のLINEが来た。

 

送られてきた開示の写真を見ると、国語52点、数学75点、物理36点、化学36点、英語54点、センターは自己採点通り838点を換算した値で合計355点くらい。理Ⅰの合格者平均点よりは少し上で、30点差で落ちているという結果だった。不合格者ランクはA。案外ボーダー付近に人がまとまっているというわけでもないんだなと感じた。

開示についての各科目の分析は次回以降に譲るとして、感情面での反応を書いていこうと思う。

 

「ギリギリ落ちたかな。」と入試が終わってすぐの頃からずっと考えていたから思ったより点数が取れていないな。詰めが甘いな。そう思ったことを覚えている。

英語と理科の点数が悪いのは、模試でD,E判定ばかり取っていたからセンター得点でのB判定、そして1日目にうまく行ってしまったことで、こんなにうまく行くはずがない、というある種の焦りを感じていたからなんだと思う。

 

要するに、自分の勉強というものに対して自信が持てていないのだ。

確かに、俺の高校では文化祭などが盛んで、俺は文化祭と勉強の両立がうまくできてなかったように思えるが、同じ高校から理Ⅲに合格したのは中学から勉強したうえで行事を要領良くこなす奴だったし、高2から勉強を開始した自分は勉強量不足という面があるのは否めない。

しかし俺は量の面での不足を補うために自己分析とまとめノートによる学習を、特に理科に関しては行っていたではないか。なのに物理の第1問の原子物理のところで計算問題の答えの数値オーダーが合わないことから徐々に焦り始め、化学に入って立て直すも英語の時点では1日目の勢いというものをもはや失ってしまっていた。英語も直前期の演習では80点を超えるようにはなっていたから、言い訳がましいが普段の調子を出せなかったという感じで受験が終わったのだった。(しかし流石に54点しか取れていないとは思わなかった。これについてはまた今度。)

 

そしてそのまま迎えた面接。どうせ落ちているからと無気力だったので教授陣の質問に答えられず再面接となった。最初の面接では面接官は3人なのだが、再面接では5人となり、また「東大の面接は異常な人間しか落とさない」という話を聞いていただけに、「自分がその『異常な人間』なのではないか」、「自分は医師としての適性がないのではないか」などという考えに支配されうまく話せず、神頼みに面接後に湯島天神に行ったときには涙で目が腫れていた。プライドだけは一人前なのでその後に御徒町駅のトイレで隠れるようにして30分くらい泣き続けた後に涙を拭き、鏡で何度も自分の顔を確かめてから鉄緑の先生に相談しに行ったのだった。

 

だから、開示を見たときは、これらの出来事を思い出すとともに「ああ、落ちたんだな。負けたんだな。」という感情を再度感じることになってしまった。開示を見て後期入試への自信をつけるという当初の目標は達成されないばかりか逆に自信を失ってしまった。

 

宿の外のコンビニまで歩いておにぎりを買い、宿に備えてあったポットで白湯を作って夕食とした。そして、明くる日の後期の入試に臨んだのだった。